たり来たり、随分一緒にもなって同胞《きょうだい》のようにしてたけど……してたというだけで、ただそれだけのものじゃないか、お前さんもよっぽど廻り気の人だね」
「へへ、そうですかね」と為さんは例のニヤリとして、「私もどうか金さんのような同胞に、一度でいいから扱われて見てえもんですね」
「じゃ、金さんの弟分にでもなるさ」と言い捨てて、お光はつと火鉢を離れて二階へ行こうとすると、この時ちょうど店先へガラガラと俥《くるま》が留った。
俥を下りたのは六十近くの品のいい媼《ばあ》さんで、車夫に銭を払って店へ入ると、為さんに、「あの、私はお仙のお母《ふくろ》でございますが、こちらのお上さんに少しお目にかかりたくてまいりましたので……」
「まあ阿母《おッか》さん、よくまあ!」とお光は急いで店先へ出迎える。
媼さんはニコニコしながら、「とうとうお邪魔に出ましたよ。不断は御無沙汰《ごぶさた》ばかりしているくせに、自分の用があると早速こうしてねえ、本当に何という身勝手でしょう」
「まあこちらへお上んなさいよ、そこじゃ御挨拶も出来ませんから」
「ええ、それじゃ御免なさいましよ、御遠慮なしに」とお光の後につい
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