層雲峡より大雪山へ
大町桂月
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)大《おおい》さ
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)群峰|攅《あつま》って
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「石+(くさかんむり/溥)」、第3水準1−89−18]
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一 層雲峡の偉観
富士山に登って、山岳の高さを語れ。大雪山に登って、山岳の大《おおい》さを語れ。
大雪山は北海道の中央に磅※[#「石+(くさかんむり/溥)」、第3水準1−89−18]《ほうはく》して、七、八里四方の地盤を占め頂上の偉大なること、天下に比なく、群峰|攅《あつま》って天を刺し、旭川の市街を圧す。最高峰は海抜七千五百五十八尺、ただに北海道の十国島に冠たるのみならず、九州になく、四国になく、中国になく、近畿になく、奥羽になし。信濃を中心とする諸高山には劣るも、緯度高きを以て、山上の草木風物は、信濃附近の一万尺以上の高山と匹敵する也。
路伴《みちづ》れは田所碧洋とて、蛮骨稜々
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