秋の筑波山
大町桂月
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)若《も》し
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)北畠|親房《ちかふさ》の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「魚+更」、第3水準1−94−42]骨《こうこつ》
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ぐず/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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一 関城の趾
東京の人士、若《も》し土曜日より泊りがけにて山に上らむとならば、余は先づ筑波登山を提出せむとする也。
上野より水戸線に由りて、土浦まで汽車にて二時間半、土浦より北条まで四里、馬車にて二時間、北条より筑波町まで一里、徒歩して一時間、都合六時間以内の行程、これ東京よりの順路なるが、上野発が午後二時二十分なれば、途中にて日が暮るべし。山に上らうといふ者は、それくらゐの事は辛捧《しんぼう》せざるべからず。筑波山麓より筑波町まで、ほんの五六町の坂路也。筑波町に着きさへすれば、旅館四つ
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