か、わかるような気がしきりにし始めるのだった。
 ちょうどこのとき、わたしの快い夢を破って、しずかにドアのきしむ音が聞え、やがてうちしおれた老看守風間丈六が、腫《は》れぼったい瞼《まぶた》を暗い灯ににぶく光らせながら、悄然《しょうぜん》と入口に立ち現われた。



底本:「新青年傑作選 爬虫館事件」角川ホラー文庫、角川書店
   1998(平成10)年8月10日初版発行
※本作品中には、身体的・精神的資質、職業、地域、階層、民族などに関する不適切な表現が見られます。しかし、作品の時代背景と価値、加えて、作者の抱えた限界を読者自身が認識することの意義を考慮し、底本のままとしました。(青空文庫)
入力:大野晋
校正:はやしだかずこ
2000年12月14日公開
2001年8月1日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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