のような味のするバクテリヤや、鶏肉の味のバクテリヤ等を発見して、極めて簡単に蛋白質の食物が得られるようになる。これは決して夢物語ではなく、既に第一次欧州大戦でドイツはバクテリヤを食べたのである。
次に動力は貴重な石炭は使わなくとも、地下に放熱物体――ラジウムとかウラニウム――があって、地殻が熱くなっているのであるから、その放熱物体が地下から掘り出されるならば、無限の動力が得られるし、また成層圏の上には非常に多くの空中電気があるから、これを地上にもって来る方法が発見できれば、無限の電気を得ることになる。なお成層圏の上の方には地上から発散する水素が充満している。その水素に酸素を加えると、これがすばらしい動力資源になる。従って飛行機でそこまで上昇し、その水素を吸い込んでこれを動力とすれば、どこまでも飛べる。そして降りるときには、その水素を吸い込んで来て、次に飛び上がるときにこれを使用する。このようにして世界をぐるぐる飛び廻ることは極めて容易である。
この時代になると不老不死の妙法が発見される。なぜ人間が死ぬかと言えば、老廃物がたまって、その中毒によるのである。従ってその老廃物をどしどし排
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