服従しろ、と言って、お釈迦様は亡くなっているのです。末法に入ってから二百二十年ばかり過ぎたときに仏の予言によって日本に、しかもそれが承久の乱、即ち日本が未曽有の国体の大難に際会したときに、お母さんの胎内に受胎された日蓮聖人が、承久の乱に疑問を懐きまして仏道に入り、ご自分が法華経で予言された本化上行《ほんげじょうぎょう》菩薩であるという自覚に達し、法華経に従ってその行動を律せられ、お経に述べてある予言を全部自分の身に現わされた。そして内乱と外患があるという、ご自身の予言が日本の内乱と蒙古の襲来によって的中したのであります。それで、その予言が実現するに従って逐次、ご自分の仏教上に於ける位置を明らかにし、予言の的中が全部終った後、みずから末法に遣わされた釈尊の使者本化上行だという自覚を公表せられ、日本の大国難である弘安の役の終った翌年に亡くなられました。
そして日蓮聖人は将来に対する重大な予言をしております。日本を中心として世界に未曽有の大戦争が必ず起る。そのときに本化上行が再び世の中に出て来られ、本門の戒壇を日本国に建て、日本の国体を中心とする世界統一が実現するのだ。こういう予言をして亡
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