の間に於て甘んじて身体を上官に致し、一意その指揮に従うものとす」と示したのである。これ真に達見ではないか。全体主義社会統制の重要道徳たる服従の真義を捉えたのである。しかし軍隊は依然として旧態を脱し切れないで今日に及んでいる。今や社会は超スピードをもって全体主義へ目醒めつつある。青年学校特に青少年義勇軍の生活は軍隊生活に先行せんとしつつある。社会は軍隊と接近しつつある。軍隊はこの時代に於て軍隊生活の意義を正確に把握して「国民生活訓練の道場」たる実を挙げねばならぬ。
殊に隊内に私的制裁の行なわれているのは遺憾に堪えない。しかも単に形式的防圧ではならぬ。時代の精神に見覚め全体主義のために如何に弱者をいたわることの重大なるかを痛感する新鮮なる道義心に依らねばならぬ。東亜連盟結成の根本は民族問題にあり。民族協和は人を尊敬し弱者をいたわる道義心によって成立する。朝鮮、満州国、支那に於ける日本の困難は皆この道義心|微《かす》かなる結果である。軍隊が正しき理解の下に私的制裁を消滅せしむる事は日本民族昭和維新の新道徳確立の基礎作業ともなるのである。
第五章 戦争参加兵力の増加と国軍編制(軍制)
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