恐れがある。それを排斥する自衛的手段として、将校団銓衡会議を採用したものと信ずる。日本では全く空文で唯形式的に行なわるるに過ぎない。
私は更に徹底して幹部を総て兵より採用する制度に至らしめたい。かくして現役、在郷を通じて一貫せる制度となるのである。
世の中が自由主義であった時代、幼年学校は陸軍として最も意味ある制度であったと言える。しかし今日以後全体主義の時代には、国民教育、青年教育総て陸軍の幼年学校教育と軌を同じゅうするに至るべきである。即ち陸軍が幼年学校の必要を感じない時代の一日も速やかに到来する事を祈らねばならぬ。それが国防国家完成の時とも言える。そこで軍人を志すものは総て兵役につく。能力により現役幹部志願者は先ず下士官に任命せられる。これがため必要な学校はもちろん排斥しない。下士官中、将校たるべき者を適時選抜、士官学校に入校せしめて将校を任命する。
今日「面」の戦闘に於ては指揮単位は分隊である。しかしてこの分隊の戦闘に於ては分隊が同時に単一な行動をなすのではない。ある組は射撃を主とし、ある組はむしろ白兵突撃まで無益の損害を避けるため地形を利用して潜入する等の動作を有利とす
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