するに至ることあり。
三 持久戦争は長期にわたるを通常とし、武力価値の如何により戦争の状態に種々の変化を生ず。即ち、武力行使に於ても、会戦を主とするか小戦を主とするか、あるいは機動を主とするか等各種の場合を生ず。しかして持久戦争となる主なる原因次の如し。
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※[#ローマ数字1、1−13−21] 軍隊の価値低きこと。
  十七、八世紀の傭兵、近時支那の軍閥戦争等。
※[#ローマ数字2、1−13−22] 軍隊の運動力に比し戦場の広きこと。
  ナポレオンの露国役、日露戦争、支那事変等。
※[#ローマ数字3、1−13−23] 攻撃威力が当時の防禦線を突破し得ざること。
  欧州大戦等。
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四 両戦争の消長を観察するに、古代は国民皆兵にして決戦戦争行なわれたり。用兵術もまた暗黒時代となれる中世を経て、ルネッサンスとともに新用兵術生まれしが、重金思想は傭兵を生み、その結果、持久戦争の時代となれり。フリードリヒ大王は、この時代の用兵術発展の頂点をなす。
  大王歿後三年にして起れるフランス革命は、傭兵より国民皆兵
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