側を離れると、溜息を吐いて、急いで縁側へ手を洗いに行った。
「肺病にでもなっているのじゃないらか。」母親は傍から心配そうに言った。お照もお庄も、黙って叔父の顔を眺めていた。
「私の肺は、人に優《すぐ》れて丈夫だと言われたもんだが……。」
と、叔父は肩を入れながら呟《つぶや》いた。
 医師も繁三も、じきに帰った。
「とにかく院長に一度|診《み》ておもらいなさい。うっちゃっておいちゃいけない。」医師《いしゃ》は繰り返しそう言って出て行った。
 酔いのさめた叔父は、また酒でも飲まずにはいられなかった。
「そんなに酒を飲んでもいいらか。あの医師《いしゃ》がああ言うくらいだで、どこかよい医師に診てもらうまで、むやみなことをしない方がいい。」
「あの竹の子医師に何が解るもんで……。」
 叔父はお照に酌《しゃく》をしいしい自分にも飲んだ。
 湯島の伯母に引っ張り出されて、叔父はその翌日《あくるひ》駿河台の病院へ診てもらいに行った。
「結核も結核、ひどい結核だと言うでないかい。」と、伯母はお庄と母親が朝飯を食べているところへ飛び込んで来て顔を顰めた。
 二人はびっくりして、箸を休めた。
「昨夜《ゆうべ
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