なそうに見える。「お前さんは、よっぽどしっかりしなくちゃ駄目だよ。」と言っているようにも見えるし、「あの女にゃ、どうせ敵《かな》やしない。」と失望しているようにも見える。
三、四十分、顔を突き合わしていたが、別にどうという話も纏《まと》まらない。いずれその内にはお国が帰るだろうからとか、新さんだってまさか、あの人をどうしようという気でもあるまいから、しばらく辛抱おしなさいとか、そのくらいであった。
お作は嫂の口から、そのことをよく新吉に話してくれということを頼んだ。
「姉さんから、宅《うち》の人の料簡《りょうけん》を訊いて見て下さいよ。」と言った。
「それはお作さんから訊く方がいいわ。私がそれを訊くと、何だか物に角《かど》が立って、かえって拙《まず》かないかね。」
「そうね。」とお作は困ったような顔をする。
台所から出て来た時、お国は店にいた。新吉も店にいた。お作と嫂の茶の室《ま》へ入って来る気勢《けはい》がすると一緒に、お国も茶の室へ入って来た。それを機《きっかけ》に、嫂が、「どうもお邪魔を致しました……。」と暇を告げる。
「オヤ、もうお帰り。マアいいじゃありませんか。」お国は
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