》や赤生薑《あかしょうが》のようなものを買わせ、朋輩《ほうばい》芸者の前に出すのだが、きゃら蕗《ぶき》や葉蕃椒《はとんがらし》のようなものも、けんどん[#「けんどん」に傍点]の隅《すみ》に仕舞っておき、お茶漬のお菜《かず》にするのだった。
昨夜お客がくれたからと、銀子は帯の間から出して金を火鉢《ひばち》の傍《そば》におくのだったが、起きそろった妹たちと一緒に、懐かしい家の飯を食べると、急いで芳町へ還《かえ》って来るのだったが、その時に限らず、彼女は朝座敷からの帰りがけに、着物を着替えているところから、その足で割引電車に乗り、温かい朝飯を食べに、わざわざ錦糸堀まで来ることも珍らしくなかった。
金を家へおいて来てから二日ほどすると、藤川から電話がかかり、行ってみると、若林はお神や女中と、鴈治郎《がんじろう》一座の新富座《しんとみざ》の噂《うわさ》をしており、人気が立っているので、三人で観《み》に行くことになった。
「お前、明後日《あさって》の切符を三枚取っておいておくれ。」
若林は銀子の晴子に命じたが、銀子にはその金がなかったので、引き受けることもできず、もじもじしていた。
「金ある
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