いたし、房吉の姉のお鈴は、小さい方の子供に、乳房を啣《ふく》ませながら、茶《ちゃ》の室《ま》の方で、手枕をしながら、乱次《だらし》なく眠っていた。家のなかは、どこも彼処《かしこ》も長い日の暑熱に倦《う》み疲れたような懈《だる》さに浸っていた。
大輪の向日葵《ひまわり》の、萎《しお》れきって項《うな》だれた花畑尻《はなばじり》の垣根ぎわに、ひらひらする黒い蝶《ちょう》の影などが見えて、四下《あたり》は汚点《しみ》のあるような日光が、強く漲《みなぎ》っていた。
姉はおゆうと、五六分ばかり縁側で話をしていたが、やがて子供をそこへ卸《おろ》して、袂《たもと》で汗をふいていた。おゆうはまだ水気の取りきれぬ髪の端《はじ》に、紙片《かみきれ》を捲《まき》つけて、それを垂らしたまま、あたふた家を出ていった。
「きっと鶴さんが来ているんだ」
お島はそう思うと、急に張物が手に着かなくなって、胸がいらいらして来た。
「姉さんも随分な人だよ」
お島はいきなり姉の側へ寄っていった。
「どうしてさ」姉は這《は》っている子供に、乳房を出して見せながら、汗ばんだ顔を赧《あから》めた。
「解ってますよ」
「可笑
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