な泥沼に片足を踏みこんだことになる」と決定されることは少々不服なのである。相手の議論をよく理解もしないで、自己の理論を何等整理もしないで、少し勝手のかはつた理論にぶつゝかると、彼は非マルクス主義者だといふ目つぶしを投げるのは、たとひその人がマルクス主義者であつても、卑怯なマルクス主義であることを示す。[#地から1字上げ](昭和四年八月「新潮」)
附記、 この他、青木壮一郎、細田民樹、谷川徹三、安田義一諸氏の主張を検討するつもりだつたが既に許された紙面を超過したし、大体以上の答への中に谷川氏を除く諸氏への解答は含まれてゐると思ふから、これで一先づこの論稿を終ることにする。谷川氏は私よりもはつきりと私と同じ問題の提出のしかたをして、ちがつた結論に到達されたゞけに過ぎない。
底本:「平林初之輔文藝評論全集 上巻」文泉堂書店
1975(昭和50)年5月1日発行
入力:田中亨吾
校正:松永正敏
2004年5月31日作成
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