青い顏
三島霜川
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)古谷《ふるや》俊男《としを》は
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)お前と一|緒《しよ》に
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)ぶらつ[#「ぶらつ」に傍点]いても
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)べと/\する
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
古谷《ふるや》俊男《としを》は、椽側《えんがは》に据《す》ゑてある長椅子に長くなツて、兩《りやう》の腕で頭を抱《かゝ》へながら熟《じつ》と瞳《ひとみ》を据《す》ゑて考込むでゐた。體《からだ》のあいた日曜ではあるが、今日のやうに降ツては何《ど》うすることも出來ぬ。好《すき》な讀書にも飽《あ》いて了《しま》ツた。と謂《い》ツて泥濘《ぬかるみ》の中をぶらつ[#「ぶらつ」に傍点]いても始まらない。で此《か》うして何《な》んといふことは無く庭を眺めたり、また何《な》んといふことはなく考込むでボンヤリしてゐた。此の二三日|絲《いと》のやうな小雨《こさめ》がひツきりなしに降續
次へ
全23ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三島 霜川 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング