は世界における真理の問題として主体に関係しており、真理が何よりも知識の真理を意味すると考えられるのも、根源的にはそれに基いている。真理は働くもの、人間を変化し、存在を変化するものでなければならぬ。「生産的なもの、それのみが真理である」、とゲーテはいった。客観的真理は主体的真理に関係付けられることによって、その根拠もその意味も明かにされる。人間のまことによって物のまことは顕わになり、物のまことに従って働くことが人間のまことである。真理は単に知識の問題でなく、同時に倫理の問題である。真理は我々を喚《よ》び起すものとして表現的なものでなければならぬ。やがて我々が知識は主観的・客観的に形成されるものであるといおうとするのも、根本においてはそのためである。
二 模写と構成
知識は主体と客体との関係において成立するが、そのいかなる関係において成立するであろうか。普通の考え方はすでに触れた模写説である。模写説は人間の自然的な世界観に一致し、そこに強味をもっている。それは、我々の心がその外にある存在を模写することが認識であり、真理は物と観念との一致であると考える。模写説は心の外に物が
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