知識の真理よりも物の真理を理解している。「真理を知らねばならぬ」というとき、真理とはあるがままの存在、物の自己自身においてある存在を指している。真理とは存在の在り方、それがそのものとして顕わであるという在り方を意味するのである。真理を単に知識に属する性質と考えることは問題の正しい把握を妨げ易いであろう。スコラ哲学者は、物の真理或いは存在における真理と、知性の真理或いは知識における真理とを、区別した。真理を存在の真理というように考えることは、超越的真理概念である。知識における真理は仮に内在的に考えられ得るとしても、存在における真理は超越的に考えられるのほかない。一層正確にいうと、存在は客観として超越的であることによってそのものとして顕わであること即ち真理であることが可能である。かように超越的なものに関係付けられることによって知識の真理も可能になる。真理の問題は超越の問題であり、それは先ず客観或いは対象の超越に関わっている。
 真理についての自然的な見方は模写説と呼ばれている。模写説は、観念と存在との一致が真理であると考える。尤《もっと》も人々の自然的な見方は、真理を必ずしも先ず知識につい
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