知識の問題の中心をなすのは真理の問題である。知識とは真なる知識のことであって、偽りの知識は知識ともいわれない。知識は真理であることを要求している。真理は知識の価値を意味し、これに対して虚偽は反価値である。真理と虚偽とは理論的領域における価値と反価値との対立を表わす言葉である。真理とはいかなるものであろうか。
知識は個人的なものでなくて一般に認められるものでなければならぬ。ただ自分はそう考えるというのでは単なる意見であって、知識ではない。自分にとってはそうであるが他の者にとってはそうでないというものは真理とはいい得ない。真理はあらゆる人によって承認さるべき要求を含んでいる。或る時にはそうであるが、他の時にはそうでなく、或る処ではそうであるが他の処ではそうでないというものも真理でなく、真理は時と処を超えて通用するものでなければならぬ。知識はかような性質をもつべきものであって、普遍妥当性といわれるのがそれである。真理とは普遍妥当的な知識にほかならない。普遍妥当性とは、時と処に拘わらない普遍性、またすべての人が必ず承認しなければならぬ必然性を意味している。一般に価値とはかように普遍妥当的
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