が哲学である。即ち哲学は科学批判に従事するのである。批判というのはそのものの拠って立つ根拠を明かにし、その基礎を置くことである。しかしながら、科学の根拠を明かにすることはそれ自身科学の仕事に属するといわれるかも知れない。科学者は自己の研究の過程において自己の原理であるものについておのずから反省し始めるであろう。尤《もっと》も、その場合、科学者はもはや科学者としてでなく哲学者として研究しているのであると考えられる。けれども何故に、科学の根拠について研究することが科学者の仕事に属しないのであろうか。それは科学的研究の発展にほかならないといわれるであろう。かようにして、科学の根拠を明かにすることが哲学の仕事であるとすれば、それには何か科学の科学としての立場においては不可能であるというものがあるのでなければならぬ。そしてその点の認識が哲学にとって肝要なのである。
次に科学は存在を種々の領域に分ってそれぞれの領域について研究する。科学は存在を全体として考察するのでなく、その特殊部門を研究する。物理学は物理現象を取扱い、生物学は生命現象を取扱うというように、科学は分科的であり、専門的である。それ
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