されたものであり、自己自身を表現すると共に世界を表現している。世界といっても、世界一般があるのでなく、それぞれの時代における世界があるのであり、それらの個々の世界がそれにおいてある世界、絶対的場所としての世界を表現している。この世界は絶対的に主体的なものであり、過去現在未来における一切のものがそこから生じ、それにおいてある真の現在である。すべての歴史的行為はかような現在から起り、この世界を表現する。一切の歴史的なものはこの世界の主観的・客観的自己限定、特殊的・一般的自己限定として作られ、この世界においてある。かくしてあらゆる歴史的なものは歴史的であると同時に超歴史的である。我々は民族的であると共に世界的であり、民族に属すると同時に直接に世界においてあるのである。
 人間は世界から作られ、作られたものでありながら独立なものとして、逆に世界を作ってゆく。人間は形成的世界の形成的要素として、世界が世界を作ってゆく中において作ってゆくのである。我々の道徳的行為もかような世界から把握されねばならぬ。そのことは、道徳というものが従来単に主観的に理解される傾向があったのに対して、特に強調される必要が
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