して現実的に理解されねばならぬ。人間が超越的であるというのは、世界の外にあるということではない、それは却って現実の世界が単に客観としての世界とは考えられないということを意味している。カントの考えた世界は客観としての世界に過ぎなかった。そのことは彼の問題としたのが主として自然科学的世界であって、歴史的・社会的実在でなかったということにも関係しているであろう。模写説に対する構成説の特色は、主観の能動性を強調するところにある。主観は対象を構成することによって対象を認識すると主張されるのである。その主観の能動性の強調は、近代科学の根柢には自然に対する支配の意志があるといわれることとも繋っているであろう。そこでは自然は単に見られるものでなく、これに働きかけ、これを変化すべきものであった。
 いずれにしても認識に構成的なところがあるのは確かである。科学の方法である実験がまさにそのことを示している。しかしながら知識は単に主観的なものでなく、客観的なものとして、客観に制約されている。そこに直観の問題があるのであって、カントも知識の内容は直観から与えられると考えた。感覚は主観が物そのものから触発されて生
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