、成功主義的または英雄主義的の安価な感激を求むる心にもとづかないにしても、それが心理的主観的なものに対する偏愛、客観的現実と社会的実践からの逃避、主観主義的、個人主義的な道学者趣味、等々のものにしらずしらず結び付いてゐることの多いのを指摘しておくことが必要であらう。日記や自叙伝に対する興味は「文化人」のものであるといふことのうちにすでに或る危険が含まれてゐる。
底本:「日本の名随筆 別巻28 日記」作品社
1993(平成5)年6月25日第1刷発行
底本の親本:「三木清全集 第一二巻」岩波書店
1967(昭和42)年9月発行
入力:浦山敦子
校正:noriko saito
2010年3月3日作成
青空文庫作成ファイル:
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