なことではない。
 一〇 あらゆるものの観念あるいは概念のうちには存在が含まれる。なぜなら我々は存在するものの相のもとにおいてでなければ何物も把捉し得ないのであるから。もとより、制限せられたものの概念のうちには可能的あるいは偶然的存在が含まれ、しかしこの上なく完全な実有の概念のうちには必然的にして完全な存在が含まれる。


       定理一

[#ここから2字下げ]
神の存在はその本性の単なる考察から認識せられる。
[#ここで字下げ終わり]

     証明

 或るものが何らかのものの本性あるいは概念のうちに含まれると言うことは、そのものがこのものについて真であると言うことと、同じである(定義九によって)。しかるに神の概念のうちには必然的存在が含まれる(公理一〇によつて)。ゆえに神について、神のうちには必然的存在が存する、あるいは神は存在する、と言うことは真である。
 しかるにこれは、既に上に第六駁論に応えて私が用いたところの三段論法である。そしてその結論は、要請五において言われたよううに、先入見から解放せられている人々に対してはそれ自身によって明かなものであり得る。しかしかよう
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