には芸術小説以外の他の種類の文芸の極めて少いことが最後に大衆文芸発達を将来した原因となって来るのである。
西洋に例を取って見るのに、立志小説としては、マロックの「ジョン・ハリファックス・ゼントルマン」だとか、少年小説としては、スチブンソンの「宝島」だとか、アミーチスの「クオレ」だとか、マロオの「家なき少女」だとか。科学小説としては、ウェルズの諸作だとか、冒険小説風の読物としては、ハッガードの作品とか、トウエンの「ハックルベリー・フィンの冒険」「トム・ソーヤの冒険」だとか、家庭小説としては、「黒馬物語」とか、ファラアの「三家庭」とか、ホオソンの「緋文字」とか、目的小説としては、「アンクル・トムス・ケビン」だとか、歴史小説としては、シェンキヰッチの「|何処へ行く《クオ・ヴァディス》」だとか、ヂケンスの「二都物語」だとか、伝奇小説としては「アラビヤン・ナイト」とか、ゴーゴルの「タリス・ブルバ」だとか、「ロビンソン・クルーソー」だとか、その他、「不思議の国巡廻記」と、ラムの「シエクスピア物語」とか、フェヌロンの「テレマック物語」とか、オルコットの「四少女」とか、キングスレーの「ハイペシャ」と
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