取上げて、飾窓へ持帰った。それから戻って来て、テーブルの上に品のいい肘をつきながら、憎らしくはないが、腹が立つというような様子でその青年を見た。
「あなたは私にちっとも考えさせてくださらないんですもの」彼女はいった。
「僕はそんな莫迦ではないよ」とアンガスが答えた。「僕だってクリスチャンの謙遜の徳は持ち合わせているよ」
彼女はなおアンガスをジッとみつめていた、しかし彼女は微笑のかげではかなり真劔な気持になっていた。
「アンガスさん」ローラはしっかりした声で云った。「まあ冗談はよしにして、私自分の事であなたに出来るだけかいつまんでお話ししたい事がありますの」
「素的々々と」アンガスが答えた。「そして僕の事についてもなんとかいってもらいたいね、あなたがそれを話してる合間にね」
「まあ、だまって私のいう事を聞いて下さいな」彼女はいった、「私はそれについては何んにも恥《はじ》る事はないんですの、またそれについて私が特別に悲しんでるという事もありませんのよ。けれどあなたは、私の知った事でもないのに、やたらに怖くて仕方のないことがあるといったらあなたはどうお考えになりますの?」
「その場合にはね
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