という教員が、奉書に書いた祭文を高く捧げて、ふるえるような声で読み始めた。その声は時々絶えてまた続いた。嗚咽《おえつ》する声があっちこっちから起こった。
柩《ひつぎ》が墓に運ばれる時、広場に集まった生徒は両側に列を正して、整然としてこれを見送った。それを見ると、清三はたまらなく悲しくなった。軍司令部といっしょに原杏花が出発する時、小学校の生徒が両側に整列して、万歳を唱《とな》えた。その時かれは「爾《なんじ》、幼き第二の国民よ、国家の将来はかかって汝《なんじ》らの双肩《そうけん》にあるのである。健在なれ、汝ら幼き第二の国民よ」と心中に絶叫したと書いてある。その時ほど熱い涙が胸に迫ったことはなかったと書いてある。清三も今そうした思いに胸がいっぱいになった。幼い第二の国民に柩《ひつぎ》を送られる一戦死者の霊――
砲煙のみなぎった野に最後の苦痛をあじわって冷たく横たわった一|兵卒《ぺいそつ》の姿と、こうした梅雨晴《つゆば》れのあざやかな故郷の日光のもとに悲しく営まれる葬式のさまとがいっしょになって清三の眼の前を通った。
「どうせ人は一度は死ぬんだ」
こう思ったかれの頬《ほお》には涙がこぼ
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