しめよ。
△「新年《にいとし》を床の青磁《せいじ》の花瓶に母が好みの蔓梅《つるうめ》もどき」△小畑に手紙出す、これより勉強して二年三年ののち、検定試験を受けんとす、科目は植物に志す由《よし》言ひやる。△風邪心地やうやくすぐれたれば、明日あたりは野外写生せんとて画板《がばん》など繕《つくろ》ふ。
二日――「たたずの門」のあたりに写生すべき所ありたれど、風吹きて終日寒ければやむ。△きく子が数へし玄米一合の粒数《つぶかず》七二五六。
三日――昨夜入浴せしため感冒ふたたびもとにもどる。△休暇中に野外写生の望《のぞ》み絶《た》ゆ。
四日――万朝報《まんちょうほう》の米調べ発表。玄米一升七三二五〇粒。△今年は倹約せんと思ふ。財嚢《ざいのう》のつねに虚《きょ》なるは心を温めしむる現象にあらず。しょせん生活に必要なるだけの金は必要なり。
五日――年賀の礼今年は欠く。
六日――牧野雪子(雪子は昨年の暮れ前橋の判事と結婚せり)より美しき絵葉書の年賀状|来《き》たる。△腫物《はれもの》再発す。
七日――病後療養と腫物のため帰校をのばす。△紅葉秋濤《こうようしゅうとう》著《ちょ》「寒牡丹」読みかけてやめる。
前へ
次へ
全349ページ中268ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
田山 花袋 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング