き》をした天蓋《てんがい》、賓頭盧尊者《びんづるそんじや》の木像、其処此処に置かれてある木魚、それを信者達は代る代るやつてきて叩《たゝ》いた。
本堂も隙間がない位に一杯に信者が集つて、異口《いく》同音に誦経《ずきやう》した。その中に雑つて、慈海の誦経の声は一段高く崇厳に高い天井に響いて聞えた。
[#地から1字上げ](大正六年七月)
底本:「現代文学大系10 田山花袋集」筑摩書房
1966(昭和41)年1月10日発行
※疑問箇所の確認にあたっては、「定本花袋全集 第九巻」臨川書店、1993(平成5)年12月10日復刻版発行(元本は、内外書籍、1923(昭和12)年10月15日初版発行)を参照しました。
入力:林 幸雄
校正:松永正敏
ファイル作成:
2004年10月4日公開
2009年9月16日修正
青空文庫作成ファイル:
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