さんは叱《しか》らないんですか」
おぢさん「虎《とら》がおまはりさんを叱《しか》ります」
[#ここで字下げ終わり]
[#改ページ]
はくてう
驚《おどろ》きやすい白鳥《はくてう》よ。
何《なに》をそんなにおどろいて鳴《な》くのだ。
青《あほ》い澄《す》んだ空《そら》には何《なに》[#「何」は底本では「河」]もないではないか。
白《しろ》く淀《よど》んだ沼《ぬま》には何《なに》もゐはしないではないか。
いえ/\。青《あほ》い空《そら》を
あれ、あんな化物雲《ばけものくも》がとびます。
深《ふか》い水《みづ》の底《そこ》に、
あれ、あんな虫《むし》が匐《は》ひまわつてゐます。
[#改ページ]
くま
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
太郎「おぢさん熊《くま》が手《て》を合《あは》せて拝《おが》んでるよ」
おぢさん「は※[#二の字点、1−2−22]あ、可憐《かあい》いものだなあ。動物園《どうぶつゑん》の中《なか》でも夜《よる》なんか熊《くま》が一番《いちばん》よく眠《ねむ》るつてね、嚊声《いびきごゑ》が不忍池《しのばずのいけ》まで聞《きこ》へるつてさ」[#「てさ」」は底本では「てさ」]
[#ここで字下げ終わり]
[#改ページ]
ペリカン
[#右ページにペリカンの絵と名前があり、本文はなし]
底本:「コドモのスケッチ帖 動物園にて」洛陽堂
1912(明治45)年2月24日発行
※近代デジタルライブラリー(http://kindai.ndl.go.jp/)で公開されている当該書籍画像に基づいて、作業しました。
※この作品は、最後の「ペリカン」を除いて「見開き右のページに本文、左のページに動物の絵と名前」という構成になっています。このテキストでは左側に書かれている動物名を見出しとしました。
※歴史的仮名遣いから外れた表記、仮名表記の不統一も、底本通り入力しました。
※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の旧字を新字にをあらためました。
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:土屋隆
校正:田中敬三
2005年10月1日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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