、いでや将軍《パシャ》をば生捕らん!※[#終わり二重括弧、1−2−55]イワンがペトゥローにかく言ふや、直ちに二人の哥薩克は、おのおの志ざす方角へ、別れ別れに発足しけり。
        ☆
『ペトゥローがいまだ捕へようともせぬ暇に、疾くもイワンは敵将の頸に縄うち、王《きみ》の御前に引き立てけり。※[#始め二重括弧、1−2−54]でかしたり、あつぱれなるぞ!※[#終わり二重括弧、1−2−55]とステパン王は、いと打ち悦びて、彼ひとりに、全軍が賜はるに等しき扶持を与へ、尚そのうへに本人の、望みの土地の領主に封じ、欲《ねが》ひのままに家畜も与へ給ひけり。イワンは王よりの下され物を、すぐさまその場で二分して、友のペトゥローと分配せり。ペトゥローは恩賞の半ばは貰ひたれど、イワンが王より受けし如き、栄誉の分たれざりしことを、深くも心に恨みけり。
        ☆
『二人の騎士は主君より拝領なせし領土をさして、カルパシヤの山麓を、徐々《しづ/\》と駒を進めたり。イワンは後方《しりへ》にわが息《こ》をば、鞍に結びて乗せ行けり。はや黄昏の頃ほひなりしが、尚も先へと進み行く。稚児はすでに熟睡《うまい》
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