の上でこをどりした。※[#始め二重括弧、1−2−54]今こそ鍛冶屋め、おれの手の中へ落ちやがつたぞ!※[#終わり二重括弧、1−2−55]と、彼は心に思つた。※[#始め二重括弧、1−2−54]今こそ、兄弟、手前がおいらに負はせをつたあの絵そらごとに対して復讐《しかへし》をしてやるのだ! ほんとに、この村ぢゆうで一番の信心者が、たうとうおいらの手に落ちたと知つたら、仲間の奴らが何といふだらうな?※[#終わり二重括弧、1−2−55]
茲で悪魔は、尻尾のある同族どもに地獄で鼻をあかせてやつたり、彼等の仲間うちでも一番の策士として立てられてゐる跛《びつこ》の悪魔がぢだんだ踏むさまを想像しながら、ぞくぞくして北叟笑んだものだ。
「さて、ワクーラさん!」と、逃げ出されやしないかと懸念して、まだ頸から降りようともしないで、悪魔はヒクヒク声で囁やいた。「御承知の通り、何事にも契約書といふものが要りますねえ。」
「覚悟の前だ!」と、鍛冶屋が答へた。「手前たちの仲間では、血判をするつていふぢやないか。待て待て、いま衣嚢《かくし》から釘を出すからな。」
さういつて彼は、こつそり片手をうしろへ迴すなり――む
前へ
次へ
全120ページ中68ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
平井 肇 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング