ディカーニカ近郷夜話 前篇
VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI
紛失した国書(×××寺の役僧が語つた実話)
PROPAVSHAYA GRAMOTA
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli
平井肇訳

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)呪禁《まじな》つて

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)人|群《だか》り

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]

*:訳注記号
 (底本では、直後の文字の右横に、ルビのように付く)
(例)*阿房《ドゥラチキー》
−−

 ぢやあ、もつとわしの祖父の話を聴かせろと仰つしやるんで?――よろしいとも、お伽になることなら、なんの、否むどころではありませんよ。ああ、何ごとも昔のこと、昔のこと! 遠い遠い、年代や月日のほども聢とはわかりかねる大昔にこの世にあつた話を聴く時の、嬉しさ娯しさといつたら! ましてやそれが、祖父と
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