リイ・グリゴーリエ※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ッチの妹さんたちですが、中でも金髪の娘さんがきれいでした!」
「おや、おや!」さういつて叔母さんは、イワン・フョードロ※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ッチの顔をまじまじと見まもつた。イワン・フョードロ※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ッチはまつ赤になつて眼を伏せた。新らしい考へが忽ち叔母さんの頭に閃めいた。「さあ、それでどうしたといふのだえ?」と、彼女は好奇心に駆られながら、まくし立てるやうに訊ねた。「いつたい、その娘の眉はどんなだつたえ?」この叔母さんが女の美しさを口にする時には、いつも先づ眉のよしあしを第一にいふのが常であつたことを申し添へておく必要がある。
「その眉がですよ、叔母さん、あなたが常々お話になる、その、叔母さんのお若い頃の眉にそつくりなんですよ。そして顔ぢゆうに細かい雀斑《そばかす》があるんです。」
「おや、さうかえ!」と、別段お世辞にいつた心算《つもり》でもなかつたイワン・フョードロ※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ッチの、その註釈に満足して叔母さんが語をついだ。「それで、着物はどんなのを著てゐた
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