ら一週間の後、イワン・フョードロ※[#濁点付き片仮名ヰ、1−7−83]ッチは次ぎのやうな返事を書いた。

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※[#始め二重括弧、1−2−54]拝復、下着お送り下され有難く御礼申し上げ候。殊に小生の靴下は何れも甚だしく古もののみにて、既に再三再四従卒をして繕はしめ候ため、著しく窮屈を覚えをりし次第に候。さて御申越しの小生が服務に関しての御意見、一々御尤もと存じ候。就ては、一昨日退職願ひを差出し置き候へば、許可の辞令さがり次第、早速、幌馬車を傭ひ、帰郷の途に上るべき予定に御座候。先般御申越しの、西比利亜麦とか申す小麦の種子に就いての御依頼は、甚だ残念ながら、叔母上の御満足を充たし申すこと能はず候。当マギリョフスカヤ県下一帯、何処にも左様な物は見当り申さず候。なほ当地に於ては大部分養豚には*ブラーガに十分|熟《な》れたる麦酒を混じて与へをり候 ※[#「勹<夕」、第3水準1−14−76]々 敬具
[#ここで字下げ終わり]
[#地から3字上げ]小甥イワン・シュポーニカ
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ワシリーサ・カシュパーロヴナ叔母様※[#終わり二重括弧、1−2−55]
[#ここで
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