で、ドニェープルの河港。
シュームスク ウォルインスカヤ県下にある小都会。
[#ここで字下げ終わり]
 騎士はいかめしい手で魔法使をふん掴みざま、空中高くさしあげた。途端に魔法使の息の根は絶え果てたが、死んでから彼は両眼を見開いた。既に彼は死んで、その眼差はこの世のものではなかつた。生きてゐる者や、蘇つた者は、こんな怖ろしい眼つきをしない。彼は死んだ眼で四方を見まはした。するとキエフや、ガリシヤの土地や、カルパシヤの山地から、自分の顔に瓜二つの死人どもが、うようよと立ちあがるのが見えた。
 飽くまで色あをざめ、いづれ劣らず背のひよろ長い、骨張つた亡者どもが、この物凄い獲物を手にさしあげた騎士のまはりに立ちあがつた。騎士はもう一度カラカラと打ち笑ふと共に、獲物をば深淵めがけて投げ込んだ。するとすべての亡者たちがその深淵に飛び込んで、魔法使の屍に蝟集しながら、てんでに歯を剥いてそれに喰《くら》ひついた。もう一人、どれより背が高く、どれより物凄い死人は、地中から立ちあがらうとしても、いつかな立ちあがることが出来なかつた――それほど固く、彼は地に植ゑつけられてゐたのだ。もし彼が立ちあがつたなら
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