あたしの顔を見に戻つて来るわ。あたしはどこまでも強情者よ。彼《あのひと》にいやいや接吻させるやうに見せかけなくつちやいけないわ。さうするとよけい彼《あのひと》は有頂天になるだらうから!※[#終わり二重括弧、1−2−55]そしてこの気まぐれな美女は、もう自分の友達とふざけ散らしてゐた。
「みんなちよつとお待ちよ。」と、娘たちの一人が言つた。「鍛冶屋のワクーラさんが袋を忘れて行つたわよ。御覧よ、まあ恐ろしく大きな袋だこと! あのひとの流しはあたし達みたいぢやないわね。この中には屹度、両方とも仔羊の四つ割が一つづつは入つてると思ふわ。腸詰や麺麭だつたら勘定も出来ないくらゐよ。豪勢ね! 祭りの間ぢゆう鱈腹食べられるわ。」
「これ、鍛冶屋の袋?」と、オクサーナが口をはさんだ。「あたしの家へでも曳きずつて行つて何が詰め込んであるのか、しらべて見ようぢやないの。」
一同はキャツキャツと笑ひながら、その提案に賛成した。
「だつて、あたし達にはとても持ち上げられやしなくつてよ!」一同は袋を動かさうとして一生懸命になりながら、急にさう叫び出した。
「ちよつとお待ちなさいよ。」と、オクサーナが言つた。「ひ
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