語を聞かされたわけなのだが、併し惜しいことには、君のその卓越した嘘がまたこの物語を大分つじつまの合わないものにしてしまっているのだ。殊にこの際大詰めとして君を殺してしまう事になると一層、全体として小説的約束を破っていはしまいか――と思うと、僕も鳥渡考え直したくなる……だが、……清水君。清水君! おや、もう君は死んでしまったか――では、やっぱり、どうも仕方がなかった……』



底本:「アンドロギュノスの裔」薔薇十字社
   1970(昭和45)年9月1日初版発行
初出:「雄辮」
   1926(大正15)年5月
※この作品は初出時に署名「渡辺裕」で発表されています。
入力:森下祐行
校正:もりみつじゅんじ
1999年8月21日公開
2007年12月17日修正
青空文庫作成ファイル:
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