せう。或日、天香さんと話して居たとき、なんの話からでしたか、アンタ[#「アンタ」に傍点]は俳句を作られるさうですな、と云ふ事なので、えゝ[#「えゝ」に傍点]さうです。どうです、一日に百句位作れますか? さすがの天香さんも、俳句については矢張り門外の人であつたのであります。園で俳句をやつて居る人々もあるやうでしたが、大抵、ホトトギス派のやうに見受けました。
いや、非常な大脱線で、且、大分ゴタ/\[#「ゴタ/\」に傍点]して来ましたから、此の入庵雑記もひとまづ此辺で打切らしていたゞかうと思ひます。筆を擱くにあたりまして、今更ながら井師の大慈悲心に想到して何とも申すべき言葉が御座いません。次に西光寺住職、杉本師に対しまして、之又御礼の言葉も無い次第であります。杉本師は、同人としては玄々子と称して居られますが、師は前一寸申上げた通り、相対座して御話して居ると、全く春風に頬を撫でられて居るやうな心持になるのであります。此の偉大な人格の所有主たる杉本師の庇護の下に、南郷庵に居らせていたゞいて居ると申しますことは、私としまして全く感謝せざるを得ない事であります。同人、井上一二氏に対する御礼の言葉は
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