さまのことばかりかんがえていました。そうしておめぐみぶかい神さまが、きっとたすけてくださるとかたく信じていました。ではどういうふうにといっても、それはわかりません。そんなことはかんがえないほうがいいとおもっていました。そこで、宿へかえる道道も、往来をおどりおどりくると、旅なかまが待ちかまえていました。
ヨハンネスは、王女がやさしくもてなしてくれたこと、いかにもうつくしいひとだということ、それからそれととめどなく話しました。あしたはいよいよお城へでかけて、みごとになぞをいいあてて、運だめしをするのだといって、もうそればかり待ちこがれていました。
けれども、旅なかまは、かぶりをふって、うかない顔をしていました。
「わたしは、とてもきみを好いているのだ。」と、旅なかまはいいました。「だから、おたがいこれからもながくいっしょにいたいとおもうのに、これなりおわかれにならなくてはならない。ヨハンネス、きみはきのどくなひとだよ。わたしは泣きたくてならないが、こうしているのも今夜かぎりだろうから、せっかくのきみのたのしみをさまたげるでもない。愉快にしていようよ。大いに愉快にね。泣くことなら、あす、
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