ンし子に附けし名にて、そを外人に告げたるはロオザ[#「ロオザ」に傍線]なり。われ進みて之と語を交へて、その※[#「王+連」、第3水準1−88−24]馬《デンマルク》人なるを知りぬ。嗚呼、是れ畫工フエデリゴ[#「フエデリゴ」に傍線]と彫匠トオルワルトゼン[#「トオルワルトゼン」に傍線]との郷人なり。フエデリゴ[#「フエデリゴ」に傍線]は今故郷に在り、トオルワルトゼン[#「トオルワルトゼン」に傍線]は猶羅馬に留れりと聞く。現《げ》に後者が技術上の命脈は斯土《このど》に在れば、その久しくこゝに居るもまた宜《むべ》なるかな。
 我等は群客と共に岸に下りて舟に上りぬ。舟はおの/\二客を舳《へさき》と艫《とも》とに載せて、漕手《こぎて》は中央に坐せり。舟の行くこと箭《や》の如く、ララ[#「ララ」に傍線]と我との乘りたるは眞先に進みぬ。カプリ[#「カプリ」に二重傍線]島の級状をなせる葡萄圃《ぶだうばたけ》と橄欖《オリワ》樹とは忽ち跡を沒して、我等は矗立《ちくりふ》せる岩壁の天に聳《そび》ゆるを見る。緑波は石に觸れて碎け、紅花を開ける水草を洗へり。
 忽ち岩壁に一小|罅隙《かげき》あるを見る。その大さ
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