着たる一群の尼達現れ、高く天使の歌を歌ふ。僧官《エピスコポス》は姫の手を取りて扶《たす》け起しつ。姫は早や天に許嫁《いひなづけ》し給ひて、御名さへエリザベツタ[#「エリザベツタ」に傍線]と改まりぬ。我は姫の群集の上に投じ給ふ最後の一瞥を望み見たり。一人の故參の尼は姫の手を引きて入りぬ。黒漆の格子は下りて、姫の姿、姫の裳裾《もすそ》は見えずなりぬ。
なきあと
ボルゲエゼ[#「ボルゲエゼ」に傍線]家の館《たち》は賀客|絡繹《らくえき》たり。エリザベツタ[#「エリザベツタ」に傍線]の天に許嫁せしを賀するなり。フランチエスカ[#「フランチエスカ」に傍線]夫人は面に微笑を浮べて客に接し給へど、その良心のまことに平なるにあらざるをば、われ猶《なほ》能くこれを知れり。
フアビアニ[#「フアビアニ」に傍線]公子は我を招きて一包の金を賜《たま》ひぬ。汝は好き方人《かたうど》を失ひぬれば、氣色すぐれず見ゆるも理《ことわり》なきにあらず。姫は我に此金を殘しおきて、カムパニア[#「カムパニア」に二重傍線]の媼《おうな》に與へんことを頼み聞えぬ。想ふに姫はドメニカ[#「ドメニカ」に傍線]の上を汝
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