下の人を思ふ如し、さるを若しそのアヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]ならぬアヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]又出でゝ、冷なる眼もて我を見ば、※[#「やまいだれ+差」、第4水準2−81−66]《い》えなんとする心の創は復た綻《ほころ》びて、却りてわれに限なき苦痛を感ぜしむるなるべし。
いと暑き日の午後《ひるすぎ》、われは共同の廣間に出でしに、緑なる蔓草の纏ひ付きたる窓櫺《さうれい》の下に、姫の假寢《うたゝね》し給へるに會ひぬ。纖手《せんしゆ》もて頬《ほ》を支へて眠りたるさま、只だ戲《たはぶれ》に目を閉ぢたるやうに見えたり。胸の波打つは夢見るにやあらん。忽ち微笑の影浮びて、姫の眠は醒めぬ。アントニオ[#「アントニオ」に傍線]そこにありや。われは料《はか》らずも眠りて、料らずも夢見たり。おん身はわが夢に見えしは何人の上なりとかおもふ。われ。ララ[#「ララ」に傍線]にはあらずや。この答はわが姫の目を閉ぢたるを見し時、心に浮びし人を指《さ》して言へるのみなりしに、期《ご》せずして中《あた》りしなり。姫。さなり。われはララ[#「ララ」に傍線]と共に飛行して、大海の上を渡りゆきぬ。海の
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