驕B瞳黒く貌《かほ》美しきカラブリア[#「カラブリア」に二重傍線]人あり。銃を負ひて、車の兩邊を騎行せり。
旅の初一日の宿をばサレルノ[#「サレルノ」に二重傍線]と定めたり。この中古學問の淵叢《えんそう》たる市に近づくとき、ジエンナロ[#「ジエンナロ」に傍線]のいふやう。※[#「糸+賺のつくり」、第3水準1−90−17]帛《けんぱく》は黄變《わうへん》すべし。サレルノ[#「サレルノ」に二重傍線]騷壇の光は今既に滅せり。されど自然といふ大著述は歳ごとに鏤梓《るし》せらる。予はアントニオ[#「アントニオ」に傍線]と同じく、師とするところ此に在りて彼に在らずといふ。われ答へて、自然|固《もと》より師とすべし、只だ書册も亦未だ棄つべからず、譬へば酒飯の並びに廢すべからざるが如しといひしに、フランチエスカ[#「フランチエスカ」に傍線]の君は我言を是なりとし給ひぬ。
此時フアビアニ[#「フアビアニ」に傍線]公子傍《かたはら》より、アントニオ[#「アントニオ」に傍線]よ、言ふは易く行ふは難きものぞ、羅馬に歸りての後は、その詞の僞ならぬを明にせよといふ。羅馬の一語は我が思ひ掛けざるところなりき。我
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