ニ誓へり。ヱズヰオ[#「ヱズヰオ」に二重傍線]は火を噴き灰を雨《ふ》らすること故《もと》の如し。而して我名を載せたる番付は早く通衢《ちまた》に貼《は》り出されたり。
初舞臺
日暮れて劇場の馬車の我を載せ行きしは、樂劇《オペラ》の幕の既に開《あ》きたる後なりき。若し運命の女神にして、剪刀《はさみ》を手にして此車中に座したらんには、恐らくは我は、いざ、截《き》れと呼ぶことを得しならん。われは只だ神を頼みて餘念なかりき。
場内の逍遙場《フオアイエエ》には俳優と文士と打雜《うちまじ》りたる一群ありき。中には我と同業なる即興詩人さへありて、其名をサンチイニイ[#「サンチイニイ」に傍線]と云ふ。平素人に佛蘭西語を教ふ。われはその群に近づきたり。會話は甚だ輕く、交ふるに笑謔《せうぎやく》を以てす。セヰルラ[#「セヰルラ」に二重傍線]の剃手《とこや》の曲の爲めに登場する俳優は、乍《たちまち》ち去り乍ち來り、演戲のその心を擾《みだ》さゞること尋常《よのつね》の社交舞に異ならず。舞臺はその定住《ぢやうぢゆう》の地なればさもあるべし。
サンチイニイ[#「サンチイニイ」に傍線]の云ふやう。吾等
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