研究し給ふやと問ひぬ。われ答へて、己れは専門の學をなさずと雖、凡そ宇宙の事は一として我研究の資料ならぬはなし、己れは詩人たらんと心掛くるなりと云へば、彼手を拍ちて喜び、ホラチウス[#「ホラチウス」に傍線]が句を朗誦し、我琴を以てヨヰス[#「ヨヰス」に傍線]の神の龜甲琴《リラ》に比したり。
 忽ちサンタ[#「サンタ」に傍線]我前に來て云ふやう。さては終に生捕《いけど》られ給ひしよ。おん身等の物語は、定めてセソストリス[#「セソストリス」に傍線]時代の事なるべし。(希臘傳説に見えたる埃及《エヂプト》王の名なり。前十四五紀の間の名ある王二人の上を混じて説けり。)客人《まらうど》には現世の用事あり。かしこに少《わか》き貴婦人の敵手《あひて》なくて寂しげなるあり。願はくは誘ひ出して舞の群に入り給へとなり。われ逡巡《しりごみ》して、否われは舞ふこと能はず、曾《かつ》て舞ひしことなしと答ふれば、サンタ[#「サンタ」に傍線]重ねて、家のあるじたる我身おん身に請はゞ奈何《いかに》といふ。われ。まことに濟まぬ事ながら、われ若し強ひて踊り出でば、おのれ一人|跌《つまづ》き轉ぶのみならず、敵手の貴婦人をさへ
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