》の審判の圖となす。
判官たる基督は雲中に立てり。使徒と聖母とは不便《ふびん》なる人類のために憐を乞はんとて手をさし伸べたり。死人は墓碣《ぼけつ》を搖り上げて起《た》たんとす。惠に逢へる精靈は拜みつゝ高く翔《かけ》り、地獄はその※[#「月+咢」、第3水準1−90−51]《あぎと》を開いて犧牲を呑めり。宣告を受けたる同胞の早く毒蛇に卷かれたるを、雲に駕せる靈の援《たす》け出さんとするあり。悔い恨める罪人の拳もて我額を撃ちつゝ、地獄の底深く沈み行くあり。天堂と地獄との間には、或は登り或は降る神將力士あまたありて、例の大膽なる遠近法もて寫し出されたり。優しく人を恤《めぐ》みがほなる天使、再會して相悦べる靈ども、金笛《きんてき》の響に母の懷に俯したる穉子《をさなご》など、いづれ自然ならざるなく、看るものは覺えず身を圖中に※[#「宀かんむり/眞」、第3水準1−47−57]《お》きて、審判のことばに耳を傾く。ミケランジエロ[#「ミケランジエロ」に傍線]は蓋し能くダンテ[#「ダンテ」に傍線]の歌ひしところを畫けるなり。
恰も好し將《まさ》に沒せんとする夕日はそのなごりの光を最高列の窓より射込み
前へ
次へ
全674ページ中243ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
アンデルセン ハンス・クリスチャン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング