エわら》ひていはく。あはれなる同業者なるかな。君が立脚點の低きことよ。おほよそ地上にへばり着きたるものは、正を邪に勝たしむること能はず。我は高く擧りたり。我に代言せしむるものは、天の祐《たすけ》を得たらん如し。かく誇りかに告げて大蹈歩《おほまた》に去りぬ。ピアツツア、コロンナ[#「ピアツツア、コロンナ」に二重傍線]に伶人の群あり。非常を戒めんと、徐《しづか》にねりゆく兵隊の間をさへ、學士《ドツトレ》、牧婦などにいでたちたるもの踊りくるひて通れり。我は再び演説を始めしに、書記の服着たる男一僕を隨へたるが我前に來て、僕《しもべ》に鐸《おほすゞ》を鳴《なら》さする其響耳を裂くばかりなれば、われ我詞を解《げ》し得ずして止みぬ。この時號砲鳴りぬ。こは車の大道を去るべき知らせなり。我は道の傍に築《きづ》きたる壇に上りぬ。脚下には人の頭波立てり。今やコルソオ[#「コルソオ」に二重傍線]の競馬始らんとするなれば、兵士は人を攘《はら》はんことに力を竭《つく》せり。街の一端に近きポヽロ[#「ポヽロ」に二重傍線]の廣こうぢに索《つな》を引きて、馬をば其|後《うしろ》に並べたり。馬は早や焦躁《いらだ》てり。脊
前へ 次へ
全674ページ中181ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
アンデルセン ハンス・クリスチャン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング