ォな》よ。邪魔をば早や拂ひたれば、いざ送りて得させんといふ。されど翁はいつの間にか逃げゆきけん、近きところには見えざりき。
 我はベルナルドオ[#「ベルナルドオ」に傍線]を引きて群衆の中を走り出でぬ。來よ我友。今こそは汝と共に酒飮まんとおもふなれ。今より後は、たとひいかなる事ありても、われ汝が友たるべし。ベルナルドオ[#「ベルナルドオ」に傍線]。そなたは昔にかはらぬ物ずきなるよ。されど我が知らぬ猶太の翁のかた持ちて、かの癡人《しれもの》と爭ひしも、おなじ物ずきにやあらん。
 我等は酒家《オステリア》に入りぬ。客は一間に滿ちたれども、別に我等に目を注《つ》くるものあらざりき。隅の方なる小卓に倚りて、共に一瓶の葡萄酒を酌み、友誼の永く渝《かは》らざらんことを誓ひて別れぬ。
 學校の門をば、心やすき番僧の年老いたるが、仔細なく開きて入れぬ。あはれ、珍しき事の多かりし日かな。身の疲に酒の醉さへ加はりたれば、程なく熟睡して前後を知らず。

   猶太をとめ

 許をも受けで校外に出で、士官と倶に酒店に入りしは、輕からぬ罪なれば、若し事|露《あらは》れなば奈何《いか》にすべきと、安き心もあらざりき
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