ヨ出來ぬるなるべし)と呼ぶ人あり。窓の前にて、美しく猛き若駒に首を昂《あ》げさせ、手を軍帽に加へて我に禮を施し、振り返りつゝ馳せ去りしは、法皇の禁軍《このゑ》なる士官なりき。嗚呼、我はその顏を見識りたり。これわがベルナルドオ[#「ベルナルドオ」に傍線]なり。わが幸あるベルナルドオ[#「ベルナルドオ」に傍線]なり。
我生活は今彼に殊なること幾何《いくばく》ぞ。われは深くこれを思ふことを好まず。われは傍なる帽を取りて、目深《まぶか》にかぶり、惡魔に逐はるゝ如く、學校の門を出でぬ。おほよそ「ジエスヰタ」學校、「プロパガンダ」學校、その外この教國の學校生徒は、外に出づるとき、おのれより年|長《た》けたる、若《もし》くはおのれと同じ齡なる、同學のものに伴はるゝを法とす。稀に獨り行くには、必ず許可を請ふことなり。こは誰も知りたる掟なるを、われはこの時少しも思ひ出でざりき。老いたる番僧はわが出づるを見つれど、許可を得たるものとや思ひけん、我を誰何《とが》めざりき。
めぐりあひ、尼君
大路《おほぢ》に出づれば馬車ひきもきらず。羅馬の人を載せたるあり、外國の客を載せたるあり。往くあり、還る
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