Bかの人を螫《さ》しては※[#「諂のつくり+炎」、第3水準1−87−64]《ほのほ》に入り、一たびは烟となれど、又「フヨニツクス」(自ら焚《や》けて後、再び灰より生るゝ怪鳥)の如く生れ出でゝ、毒を吐き人を傷《やぶ》るといふ蛇の刺《はり》をば、われ自ら我膚の上に受くと覺えき。
わが夢中に地獄と呼び、罪人と叫ぶを聞きて、同房の書生は驚き醒むることしば/\なりき。或る朝老僧の舍監を勤むるが、我|臥床《ふしど》の前に來しに、われ眠れるまゝに眼を※[#「目+爭」、第3水準1−88−85]《みひら》き、おのれ魔王と叫びもあへず、半ば身を起してこれに抱きつき、暫し角力《すま》ひて、又枕に就きしことあり。
わがよな/\惡魔に責めらるといふ噂は、やう/\高くなりぬ。我床には呪水を灑《そゝ》ぎぬ。わが眠に就くときは、僧來りて祈祷を勸めたり。此處置は益※[#二の字点、1−2−22]我心を妥《おだやか》ならざらしめき。囈語《うはごと》の由りて出づるところは、われ自ら知れり。これを隱して人を欺《あざむ》くことの快からぬために、我血はいよ/\騷ぎ立ちぬ。數日の後、反動の期至り、我心は風の吹き荒れたる迹《あと》
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